玉蘭荘の太陽/ 張明徳-(134)

三月二十三日早朝から陽光が燦然と輝き、昨日まで薄ら寒い天気も温かくなり、玉蘭荘に春来たるを思わしむ。いつものように玉蘭荘に入ると馬場さんの微笑みと優しい声に迎えられた。半年ぶりの再会だ。ご主人のご病気で帰日なされ、皆さんが等しく安否を気遣い、早く癒える様にと主イエス様にお祈りしてきた。私もメールでお見舞いして返事もらったが、過日の様に語り合い、優しい笑顔に接するのは半年ぶりだ。馬場さんが皆さんに挨拶した後に古参会員の私が、皆さんにきいた。「昨日までどんより曇った空が、今日は晴れてよい天気、なぜでしょう?」此処、かしこから「玉蘭荘の太陽が帰ってきたから!」と異口同音の声が返ってきた。

馬場さんは一九九一年に玉蘭荘と縁を結んでから二十一年になる、いつも朗らかな声に笑み添えて、皆から親しまれて、荘歌の「疲れし心、若返り、憂いも消えて、なごやかに...」を裏付ける。彼女は長年ボランティアのリーダーとして皆から親しまれ、お陰で玉蘭荘の運営はスムーズに進行して来た。毎月の運営会議に玉蘭荘の歩みについて貴重な意見を述べ、総幹事を補佐して会の運営に携わった、彼女こそ玉蘭荘の縁の下の力持ちである。

玉蘭荘に蘭々工房という手芸組がある。責任者は馬場さんで日頃は会員に手芸の趣味を培い、頭脳の退化を防ぐ。毎年のバザーの準備は半年以上前から始まる。馬場さんは素晴らしいアイディアで手芸品を考案し、ボランティア達を指導して色々な手芸品を作る。バザーになれば会員や支援者が寄贈された品物に値段を付け、売り場の配置や担当のボランティアを決める。馬場さんはマイクを手にして来荘者に玉蘭荘を支援して下さいと声かける。臨時オーナーの優しい声に感動し、励まされ、玉蘭荘のバザーは毎年盛り上がる。反省会で彼女は自分の苦労を口にせず、成果を皆さんの功に帰する、その人となりに頭が下がる。

馬場さんの夫君は台湾の会社(華新麗華股份有限公司)の董事長を長年担当され、かつて台北東海ロータリーの社長に選ばれた。玉蘭荘に対する熱心な支援は当時から延々と続き今に至る。馬場さんのお姉さん矢野蓉子教授は名声楽家で玉蘭荘のコンサートには阪本朋子教授のピアノ伴奏で数々の名歌を鑑賞させてくださった。且つ航空費、旅館代は自己負担で尚敬服する。十寸穂さんも玉蘭荘の素晴らしいソプラノ歌手として合唱をリードして下さる。まさにその姉ありて、その妹あり。

馬場さん!ご苦労さん!今後も百歳近い義母さんに孝行を尽くし、ご主人のお世話で忙しい毎日が続くでしょう?

台湾はご夫婦の第二の故郷、玉蘭荘は十寸穂さんの心のふるさと、二十余年間続いてきた会員との友情の絆は今後も延々と続いて行く。どうか末永く玉蘭荘を里の家と思って、いつでも里帰り下さい。私達も神様にご一家族のご健勝とご発展を祈ります!

                     (常務理事)

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