張塇爐老師との思い出  高本恵子--121号

私は玉蘭荘に入会したその月、八十六年十二月二十六日に習字班に参加することになりました。以後毎月二回(必ず金曜日)午後一時から三時迄、張先生の熱心な良きご指導のもとに、五十年ぶりに毛筆で字を書くことの難しさと又楽しさを習う事が出来ました。


一年ごとに少しずつ上達して自信が出来た様に思い、日本に居る姉夫婦や友人に時々毛筆で年賀状や暑中見舞いなど出しましたら、姉夫婦から初めて恵ちゃん少し上手になった様ねと認められました。これも張老師のご指導のお陰様だと心から感謝しております。


この九月の二十日前後だったと記憶しています。張先生のお元気な声を聞き、ほっと一安心しました。それから一週間後、書道のお友達から電話で、「貴女ご存じ?張老師がこの二、三日前にお亡くなりになったこと」「え!まさか、本当?誰から聞いたの?」「短歌の会員の方から連絡があったのよ」私は突然のことで「つい最近私の所にお元気な声で退院してよくなったから!と電話があったところよ。」と返事をしました。


その夜は悲しくて、泣きながら張先生もう一度お目にかかって感謝の気持をお伝えしたかったのに、何故急に天国に召されて行ってしまわれたの…あのお電話が最後の会話になってしまったこと、心から残念です。


張先生!どうか天国で安らかにお休み下さい。十一年間の長い間のご指導、本当にご苦労様でした。先生との楽しいユーモアに富んだ会話や若き日のロマンスなど色々な出来事は、私にとって大切な良き思い出として、いつ迄も忘れることはないでしょう。長い間本当
にご苦労様でした。心から感謝しております。
 

ありがとうございました。

評論: 0 | 引用: 0 | 閱讀: 2506