玉蘭荘を訪問して  小川栄子(日本支援者) --122号

私が初めて玉蘭荘を訪問したのは一九九四年九月でしたから、十六年も前から私にとって「台湾といえば玉蘭荘」という細いけれど永いつながりがありました。

 その間 東京のボランティア仲間と何度も伺っておりましたが、この度は九州の新しい仲間と玉蘭荘との新しい出会いの機会となりました。

 東京からよりも「福岡‐台北」間は近いのに、六年ぶりの訪問でした。懐かしい方々にお会いできたこと、また新しい方々との出会いもあり、玉蘭荘の活動が益々盛んに続いていることをとてもうれしく思いました。

 今回一緒にうかがった仲間たちは、福岡県八女郡黒木町で特産の八女茶(グリーンティー)や富有柿、巨峰ぶどう、米、花(ガーベラ)、インゲン豆などを生産している農家の主婦たちです。台湾は初めてという四人を始め、みな何日も前からとても楽しみにしてこの日を迎えました。昼間の農作業を終えて夜、楽しみに大正琴や日本舞踊や詩吟を教えたり教えられたりしている、拙い芸でしたが、みなさんが一緒に手をたたいたり、歌ったり、踊って下さったことはとても楽しいひと時となりました。

そして一人ひとりみなさんの日本語の話しの輪に入れていただき、台湾のことや日常生活の様子をお聞きし、明るくて、楽観的で、積極的な国民性と思えるようなお人柄に触れることができました。一方、遠慮がちで消極的で、退行的思考の私たちとの違いを感じたようで、口々に「よし、前向きに行こう」とか「くよくよしないで楽しくやろう」などとこの旅行を機会にみなの心に新しい気持ちが沸いてきたようです。

 世界中が不況風にさらされているといわれながら 士林夜市のあのにぎやかさ、バイクや車が川の流れのように走っている様子をみて「台湾は元気がいいなあ」とみな同じ思いで帰路につきました。

 これからそれぞれの生活の場で玉蘭荘の思い出が語られることでしょう。そして「カラオケ」や「踊り」を一緒にやる約束もできたので次の台湾旅行を楽しみに仕事に励むことでしょう。またお会いする時までどうぞみなさんもお元気で。
 

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