就任のご挨  理事長・蔡仁理牧師/123号

この度は突然玉蘭荘理事長の重要な責任を、前理事長許石枝長老より手渡されました。許理事長は長らく玉蘭荘の理事長を務められ、荘を今日の様に、発展軌道に乗せて下さいました。この良き状態に有る福祉事業を、私の如き者(二十年も台北生活圈を離れ、人脈も薄く、只二三度ばかり玉蘭莊の月曜集会に奉仕させて頂いた者)が理事長の責位を担う事は、真に無謀だと思いましたが、会員・理監事及び皆さまの熱意と支援を拒む術なく、神の奇しき召命及び恩寵として承りました。過去長年、聖書事業奉仕にあって体験し得なかった、日本語を語って交われる高齢者達との係わりは、これから迎える私の晩年と余生に、神さまが与えて下さった尊い機会だと信じております。

おこがましくも、旧約聖書のモーセを喩えに用います。(旧約聖書「出エジプト記」第三、四章:モーセの召命を参照) モーセが荒野に於いて、柴の間に燃え上がっている火の中より声を掛けられ、「わたしは汝を工ジプトに遣わす。亻スラエル人をエジプト人の手から救い出せ。」とお命じになりました。その時モーセは八十の高齢で「どうして私なのでしょうか?私は口重く、舌重い口下手な者です。」(4:13)「主よ、どうか誰か他の人を見つけて遣わして下さい。」とのモーセの答えに、主は怒られたのです。

顧みますと、「どうして私なのでしょうか?」

今や八十の坂を辿ろうとしている者としての自省と、日本語の未熟さ(中学三年程度しか学んでいない上に、口下手である)を思い、「主よ何卒別の人を」と祈りました。然し神がモーセに約束されたみ言葉 「私は必ず汝と共にいる。」そして「我、アロンを助け人として共に遣わす。」のご指示に、目覚まされました。 今の私は「神、我らと共にいます。」 そして、理監事、總幹事、ボランティアや会員並びに沢山の支援者の皆様が、共に働く協働者として、私にとっても大いなるサポートと成る事を確信して、奉仕させて頂く事を決心致しました。

今年の秋に、喜ばしい本荘創立二十週年の慶祝を控えて、現在着々と準備中ですが、私達は過去二十年間の神の豊かな惠みに感謝を献げ、又多くの支援者の皆様、諸先輩、指導者、教会等のご支援ご苦労を常に憶え、此の福祉事業が主のみ旨とご支援下さる多くの方々のご期待に背かない様、共に努力致しましょう。

そして玉蘭荘が、多くの人々の身と心の良き憩いの場所として、和やかなる平安と愉しみで満ちた、高齢者の喜びの大家庭である事を、常に証して行
きましょう。これからも、皆様のご支援ご協力をお願い申し上げると共に、私共も心を合わせて祈り、邁進して参りたいと思っております。
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