鷲のように高くのぼる 　高俊明／124号

今日、玉蘭荘の創立二十周年を皆様と共に迎えることができました恵みを、心から神様に感謝致しております。

　聖書に｢主は、とこしえにいます神、地の果てに及ぶすべてのものの造り主。倦むことなく、疲れることなく、その英知は究めがたい。疲れた者に力を与え、勢いを失っている者に大きな力を与えられる。若者も倦み、疲れ、勇士もつまずき倒れようが、主に望みをおく人は新たな力を得、鷲のように翼を張って上る。走っても弱ることなく、歩いても疲れない。｣（イザヤ書四十章二十八～三十一節）

　今、私たちは、この聖書のみ言葉に基づいて、一緒に三つのことを考えましょう。

一、 全能の神

神は天地万物と、私たち人類及び全ての生物をお造りになられた、全能の神様であられます。神は正義であり、愛であり、真実であります。

神は、人類が飛行機や潜水艦を発明する何千万年も前に、空を自由に飛びかける鳥類や、大海を自由に潜ったり、泳ぎまわったりする鯨やさめ等を

創造されたお方であります。

｢若者も倦み、疲れ、勇士もつまずき倒れる｣と聖書に書かれていますが、確かにその通りです。どんなに強い、世界一の大力士であっても、いつかはもっと若くて強い大力士に打ち倒されて、再び立ち上がれなくなってしまうのです。

　アレキサンダー大王は二十歳の時に、もの凄く強い大軍を引きつれてエジプトを征服し、印度の国をも征服しました。当時の全世界を征服した大英雄であると歴史に書かれています。しかし彼も三十三歳の時には大病を患って逝去しました。

　ナポレオンも、連戦連勝の常勝将軍とうたわれた大勇士でしたが、遂に戦争にやぶれて、孤島セントヘレナに幽閉され、そこで死亡致しました。彼は、自分の辞書には｢不可能｣と言う言葉はないと傲語したのですが、やはり彼にも力と生命との限界があったのです。

　この地上においては、大富豪であっても、名医‧王様‧女王様‧博士‧大力士であっても、必ず疲れ、力を失い、倒れ、亡くなるのです。しかし、ただ、神様だけが永遠に倦むことなく、疲れることもなく、その英知は究めがたいのです。

二、新しい力

　聖書は｢神様は疲れた者に力を与え、勢いを失っている者に大きな力を与えられる。主に望みをおく人は新たな力を得る。｣と言っています。イエス様も言われました。｢私は復活であり、生命である。私を信じる者は、たとえ死んでも、必ず生きる。｣又、言われました。｢私は道であり、真理であり、生命である。｣（ヨハネ福音書十一章二十五節、十四章六節）

　私たち人間はみな弱い者です。かならず倦み、疲れる者です。

　しかし、神を信じ、イエス様に望みをおく時に、私たちは大きな力を与えられ、新しい生命を受けるのです。

　日本の名作家、三浦綾子先生は、二十歳の頃、肺結核にかかって、十三年間入院生活を送りました。当初三浦先生はまだイエス様を信じていなかったので、自暴自棄の日々を過ごしておりました。しかし、或る日、前川正さんと言う医学院の実習生が、三浦先生を尋ねてイエス様の福音を伝えました。最初、三浦先生は全然イエス様を信じませんでした。しかし、遂に三浦綾子先生は、前川正さんの愛と熱心さに深く感激して、大変熱心なキリスト者になりました。三浦先生は新しい力と新しい生命を受けてからの四十数年間に、｢氷点｣やその他の七十数冊の本を著作して、人間の原罪、キリストの十字架と復活を宣ベ伝えたのです。数百万人の人たちはこれらの書物を読んで大変感激して、新しい力と新しい生命を得たと言われています。

三、      鷲のように高くのぼる

　私たちは玉蘭荘の創立二十周年を迎えたこの良き日に、新しい力と新しい生命に充ちて、イエス様と共に勇ましく前進致しましょう。

　百三十数年前、マカイ博士はカナダから、たった一人で、神と台湾に対する熱烈な愛に充たされて、淡水に上陸しました。牛飼いの少年たちから｢台湾語｣を習った後、台湾北部の各地をめぐり歩いて医療伝道に従事しました。多くの苦難や迫害に遭遇したのですが、マカイ博士は苦難がつのればつのる程、ますます熱心に医療伝道に励んだのです。だんだん多くの人たちがイエスを信じたので、数十軒の教会を建てました。又、淡水教会の側にも小さな診療所を作りました。しかし、神様はこの小さな診療所を祝福して、それを台北のダイヤモンド地区にある十数階の大きな病院にまで発展させてくださいました。マカイ病院は本院の外にも護士（看護）学校や医学院を創立し、又台湾の竹圍、台東、新竹等にも分院を設置して、毎年二百万人以上の病人の治療にたずさわっているのです。確かに｢神に望みをおく人は新たな力を得、鷲のように翼を張って上る。走っても弱ることなく、歩いても疲れない｣のです。

　　（二〇〇九年九月十四日　玉蘭荘二十周年感謝礼拝より）