許石枝長老を偲んで/邱明慧(理事)

二月二十三日、菊野さんからお電話で許石枝長老が亡くなられたとの知らせがありました。其の時、私は只呆然として聞いた耳を疑いました。遂二、三日前、張明徳常務理事から連絡があり、許長老のご病気は改善に向かって居り、意識も徐々に回復しているので、救急室から普通病室に移されたと伺っており、陳旭星理事からも電話で二月二十一日、一緒にお見舞いに行こうと誘われたばかりなので安心していた矢先、正に晴天霹靂の思いでした。


私は十一年前に玉蘭荘に入会して、初めて当時の理事長さん、許石枝長老にお目にかかりました。まだ若々しく、何時もにこやかな笑顔で、優しく会員やボランティアさん達をリードされて居られました。


玉蘭荘での長いお付き合いを経て、私は許長老の、茨の道を克服し、信仰に徹して精錬されたお人柄を心の中で受け止めました。お説教で聖書の教えや、彼の波瀾に満ちた人生に於ける深い神の愛を語ってくれました。会う度に何時も;「奥さん元気?」と口癖のように気遣ってくれた許長老、感謝して居ります。人生の荒波の試練を乗り越えて磨き上げた独特で、奥深い誠実と謙虚な人格をひしひしと感じさせられます。玉蘭荘の創立時代の功労者である彼の献身的な功績は、会員たちの心に留まり、称えられ、永遠に受け継げられて行く事でしょう。


張明徳さんの著作である「神の愛といばらの人生」を幾度も拝読し、ささやかなクリスチャン家庭に生まれ育ち、神様の愛に守られ、貧困と恐怖と戦い、恩人に助けられてあの動乱の時代を生き抜き、後にその恩を忘れなかった、有りのままの許長老が鮮やかに描かれており、私に深い感銘を与えました。


「金剛石も磨かずば、玉の光はそわざらん、ひとも学びて後にこそ、まことの徳はあらわるれ。」とあります、私は、この童歌を口ずさみ、この歌詞の内容こそが許長老の波乱に満ちた不屈な人生の表れだと感じました。最後に、許長老の在天の冥福を心からお祈り致します。

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