私の母/陳彩琴-(135)

私の母は十八歳の時に父と結婚しました。箱入り娘の母は、垣根越しに只父を一目見ただけで結婚したのです。母は西螺(地名)でも美人だったので、父は一目惚れだったと思います。封建制度の大家庭の長男に嫁いだ母は、慈禧太后(清朝)の様に大権を握った姑の厳しさに耐えながら、戦々恐々の毎日を過ごしました。夜になるとこっそりと一人で涙を流したそうです。

  私が一番記憶に残っているのは、母が六十の誕生日に父が初めて母を連れて日月潭へ旅に出かけたことです。何とも言えない嬉しさに母は笑顔を浮かべました。それは母の最初の旅でしたから、私まで胸を強く打たれました。今だに忘れられません。母には美しい夢も無く、毎日を家庭・夫・子供達の為に何の不平も無く一生を過ごしました。

  母が八十歳の誕生日に、私は一着のチャイナドレスを贈りました。母は有難うと涙を流しました。母が亡くなった後もずっと、私はその服を大切にしてきましたが、今年私も八十歳になり、大切なこのチャイナドレスを自分の手で簡単な洋服に直して、玉蘭荘の五月の誕生会に着て参りました。先輩の皆様からお祝いと共に、ステキな服だと褒めて頂きました。それは唯一無二の一着ですもの!  

   五月十三日の母の日に、今年も私は母に声を掛けました。「いつも私を守って下さり、有難うございます!」と。      

慈祥的母親 我愛您!    
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