支援団体紹介 台湾日本人会・台北市日本工商会/総幹事 山本幸男-(136)

玉蘭荘が一九八九年に創立されて以来今年で二十三年、台湾における唯一の日本語による老人ケアと云う非常にユニークな活動を続けておられるとお聞きしました。週二回、台北市近郊のあちこちから日本語世代を中心とした元気な御老人達が集まり午前十時~午後三時の間、真に楽しい時間を過ごしておられる。先日も参観させて頂く機会があり、皆さんが懐かしの日本の歌を溌剌と歌っておられる姿を拝見し感心した次第です。一九八九年創立と云えば戦後四十年間続いた戒厳令が一九八七年に漸く解除され、台北にも自由な時間が戻ってき、それまでの抑圧から解放された時期とタイミングを一にしているわけです。二十世紀の激動の時代を逞しく生きて来られた会員の皆さんと玉蘭荘の運営を支えて来られた役員やスタッフ、ボランティアの皆さんに敬意を表したいと思います。


台湾日本人会は基本的には台湾に生活する日本人の集まりです。全台湾で約二千五百名の会員がいます。一方、工商会は台湾に進出してきている日系企業の集まりです。交流協会と日本人会、工商会が台湾における日本人社会を支える三本柱となっており、三者が連携して台湾でのより安全、安心な暮らしの確保や日本人学校の運営、日台交流の促進等で協力しています。台湾では政府と政府の関係ではなく、民間外交が中心となっている関係上か、工商会や日本人会も他の地域と比べて何かと出番が多く活発な活動を行っております。

現状、日台交流と社会貢献の観点から玉蘭荘に対する日本人会/工商会の支援活動は主に下記のようなものになっています。

①工商会の基金運営委員会が毎年幾分の寄付金提供を継続的に行っており、それらの寄付金が玉蘭荘の設備購入等に充当されています。

②毎年十一月に開催されるバザーに工商会の会員企業有志が自社商品の提供をさせて頂いています。又そのバザー運営には、日本人会の婦人部福祉担当の方達が品物の提供や売り場等の応援にも駆け付けています。

③その他、工商会や日本人会が協賛する台北でのイベントや

行事の案内を出来るだけ多く玉蘭荘の皆さんにも御案内し優待チケット等を提供させて頂いています。

(昨年のNHKのど自慢は皆さんに喜んで頂きました)  


補足ですが、日本人会の会員である奥さん達(有志)が、個人的にボランティアとして玉蘭荘の日常活動の円滑な維持の為に、少なからぬ貢献をしてきております。


日本語世代が段々と少なくなっていく中で玉蘭荘が日台交流のプラットフォームとしての役割を今後どのように維持発展させて行かれるのか大きな関心事でもあります。長年に亘り日台交流の実践の場として活動されてきたことは日台双方にとり大きな財産であり、日本人会や工商会としても今後も出来る限りの支援御協力はさせて頂く所存です。その為には先ずは玉蘭荘の存在を多くの在留日本人や企業関係の会員にももっと知って貰い、そして関心を持ち、日台交流の草の根の強さを実感することから着実に始めていくべく微力ながら努力を続けさせて頂く所存です。

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