[支援団体紹介] 公益社団法人 日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)-(138)

総主事 大江 浩


はじめに、玉蘭荘設立二十四周年に際し、日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)の関係者一同を代表し、玉蘭荘に連なる全ての方々に心よりお祝い申し上げます。

JOCSの源流は、一九三八年、日中戦争当時にキリスト者医学生たちによる中国難民救済施療班(中国・江蘇州太倉にて)です。JOCS(一九六〇年創立)は、日本キリスト者医科連盟を母団体とし、約半世紀にわたり延べ十一か国、七十名を超えるキリスト者医療従事者(ワーカー)の派遣やアジア・アフリカの保健医療スタッフへの奨学金支援(年間約八十名)などを通して、地域と人間に根ざした海外医療協力を行っています。

 JOCSの台湾での医療協力は、一九六二年、故犀川一夫氏(医師)によるハンセン病医療協力や安藤千津恵氏(看護師)の派遣に遡ります。一九六三年には、第一回日台フィールドワーク(光源郷での巡回診療)が行われ、後に菊池トミ(看護師)、小原安喜子(医師)、若井晋(医師)、堀田久子(教師)各ワーカーによって活動が受け継がれ、その歴史的な関係は半世紀に及びます。玉蘭荘とJOCSとの関係は、「聖書と祈りの会」の堀田久子宣教師らを中心にして創立された玉蘭荘老人デイケア活動を引き継ぐ形で、一九九二年に大川記代子ワーカー(保健師)を派遣したことが始まりです。JOCSは、九二一台湾・中部地震の復興支援にも力を注ぎ、その後大川ワーカーは、二〇〇三年にも短期派遣ワーカーとして活動を担いました。そして現在、日台の数多の皆様方の長年にわたる献身的なご奉仕により支えられ繋がっています。


玉蘭荘の通所者の方々が、日本語での学びやお交わりを通して喜びと生きがいのある人生を送っておられることは、私たちの幸いでもあります。

それは二十四年間にわたり、皆様を支えてこられた方々の祈りと御働き、そして主の御力によるものと思います。


今、東アジアは近隣諸国との緊張が高まりつつあります。しかし私たちは、「主にあって一つ」、人と人とが互いに理解を深め、違いや対立を乗り越えていけると信じます。JOCSの使命は、保健医療協力を通した「みんなで生きる」平和な世界の実現です。これからも国境の分け隔てなく、様々な苦難にある人々の命と向き合っていきたいと思います。


末筆ながら、玉蘭荘の通所者の皆様お一人おひとり、そしてスタッフの方々の上に、主の豊かな祝福と御恵みがありますよう、心からお祈り申し上げます。


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