玉蘭荘の家を買った経緯/張明徳-(138)

僕は一九九三年一月に玉蘭荘と縁を結んで二十年になる。当年六十八歳の初老であったが歳月人を待たず、何時の間にか米寿を迎えた。玉蘭荘の活動に参加して有意義な晩年を過ごした。

教員をリタイア後子女の手伝いをする為に台北市に引っ越した。長女の二人の幼子を世話する目的でアメリカにも住んだ。孫たちは大きくなり世話する必要がなくなった。今後は何しよう?毎日何もせずに居候、ござ候の余生は送りたくない。僕達は台中市の忠孝路教会で洗礼を受けたクリスチャンだ。何か有意義な奉仕をして社会の為に尽くしたい。


双和教会の簡玉招さんから玉蘭荘を紹介されて、彼女について習字を習う目的で一九九三年一月十一日に初めて新生南路にある玉蘭荘に行った。正月後の二月八日に又行ったら数名の男女が炊事道具や書物を箱に入れて引っ越しの準備をしていた。何故引っ越しするのか、何処に引っ越すのかと聞いた。指揮をしていたつるつる頭の老人が、家主が家を売るので敦化南路に家を借りて引っ越すのだと話してくれた。僕等夫婦も手伝った。後に指揮者は許石枝理事長で、総幹事は大川記代子さんだと分かった。

翌日から許理事長とペンキ塗り、電話移設、トイレ修繕等の仕事をした。妻も拭き掃除、物品整理などを手伝った。玉蘭莊と縁を結び、ボランティア、理事、後に第三代総幹事を担当した。ふつつかな僕を導いて意義ある晩年を過ごさせて下さった主イエス様に感謝する。

玉蘭莊は創設当時から家を買う計画を立てて会員や理監事達が献金した。僕が総幹事を継承した頃、六五〇万元を華南銀行に定期預金していた。礼拝の都度、神様に適当な家を授けて下さいと祈った。僕は帰宅の途中に仲介業者が貼った広告を見て家を探した。

ある日の夕方、僕の家近くの電信柱に貼ってあった力霸仲介業者の広告に信義路三段一九〇の一号四階の家を売ると書いてあるのを見つけた。その夜ブローカーに電話をかけて妻と一緒に見に行った。面積五十一坪、バス亭とMRT大安ステーションに近く、交通至便で、玉蘭荘の活動にあつらえ向きな家だ。価額は千六百五十万元、高すぎる。欲しいけれど、一千万元足りない。安くしてくれと交渉したが、地の利がよく交通が便利だから家主は千六百五十万元以下では売らない。


電話をかけて許石枝理事長に報告した。彼は土地、家屋売買のプロで附近に彼の家がある。翌朝、ブローカーに通知して許理事長と一緒に見に行った。彼も、玉蘭莊の活動に適当な場所だからとブローカーに安くしてくれと交渉したが、承諾しない。ブローカー代は上げるから家主の住所を教えてくれと要求したら遠方に住んでいると答える。隣人に聞いたら同じマンションの三階に住んでいると教えてくれた。

家屋購買小組を組織して家主を訪れた。許理事長が皆を紹介した後に、玉蘭莊は老人日語活動センタで皆はボランティア奉仕をしていて、家を買いたいが資金が足りない苦情を話し、四階の家を安く売ってくれるように頼んだ。家主は感心した面持ちで答えた。ブローカーとの契約は後二ヶ月で期限が切れる、千四百五十萬元の原価で売るからその時まで待てと約束してくれた。

二ヶ月後に許理事長は前金を渡して、運営委員長の連碧玉さんがなじみの建築師を紹介してくれて、設計費免除、材料費も安くして貰う好条件で内装が始まった。その間残額を借りて家主に渡し、周美玲代書人(のちに監事)に無料で登記を委託した。内装工事は約一ヶ月で完成した。

毎月四万元の家賃を払って、三年七ヶ月活動を続けた敦化南路の家から、一九九六年十月十七日の夜に信義路三段一九〇号の新しい家に引っ越した。許理事長は借家で運搬を指揮し、僕等夫婦は新しい家に運んできた家財道具の置き場を指定した。引っ越しは小型車十台で夜中まで運んだ。

十一月三日の午後に献堂感謝礼拝を行った。牧師、ゲスト、会員、ボランティア、合計百二十二人の盛況だった。皆異口同音に玉蘭莊の新出発を祝してくれた。

が、僕達は一千萬元の借金をどのようにして返すか、理監事会議を開いて返済について相談した。無利子のタノモシ講を組織して会員たちに参加してもらい、返済順序はくじ引きで決める案に皆賛成。会員に話したら皆さんは熱心に参加してくれた。楊約西理事は三百万元を無利子で玉蘭莊に貸した。鄭秀珠牧師夫人は息子や懇意の友人から募金した。日本の玉蘭荘を支える会の献金、慈善家の献金、東門教会を借りて慈善音楽会を催し、大阪音楽大学の矢野蓉子教授とピアノ伴奏の阪本朋子教授は自費で来られ、日本の名歌を独唱して満場拍手喝采。チケットを売った収入も返済に充てた。玉蘭荘のバザーにも多くの支援者が献品したり、買ったりして応援してくれた。僕は総幹事を三年間無償奉仕し、別に五万元寄付した。皆の熱心な支援と協力によって、三年間で一千万元の借金を返済した。


僕は総幹事を辞任した後も夫婦共に玉蘭荘の奉仕を続けて来た。玉蘭荘はシルバー族のパラダイス、色々な活動は老衰と記憶の退化を防ぐ。僕達夫婦は奉仕しながらエンジョイしている。

古い諺に「前者樹を植え、後者涼しむ」がある。もし当時の会員の協力と熱心な献金がなければ、玉蘭荘はすでに時代から淘汰されたかもしれない。会員の皆さん!玉蘭荘が尚一層発展するように協力して下さい。  (常務理事)

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