特集 母の日に寄せて-亡き母を偲ぶ/杜武志-(139)

去年は「父の日」について書いたので(玉蘭荘だより一三六号)、今年は「母の日」についてどうですか?とお達しがあった。実は一気呵成に書き上げたが、読んでみると悲しいこと許りで、これではと思いなおして書きかえて見た。

「ああ母よ!」と云えば、私にとっては妻子よりも、生涯を通じて御世話になった親である。それ故母の逝去に先立って「母!」なる一曲(杜武志作詞、鄭月菊作曲)をお贈りした。母はいとも満足そうであった。私達夫婦の作った歌を、母はこんなにも喜んでくれたのを、ここで皆様方にも、御披露したい。

思えば私が病気で台大病院でお世話になっていた頃偶々手術で、夜麻酔がさめた時、口が渇き激痛に堪えかねた私は、付き添いベッドで、母がグッスリ眠っているのを見て、何故か私はとても「いじらしくて」そして泣きたくなった。

運命に翻弄された私はマリアの如き母愛と自分の不甲斐なさ(子曰く:「身体髪膚之を父母に受く、敢えて毀傷せざるは孝の始め也」)が身に沁みて悲しく、ついに目を閉じてしまった。その神々しさが今でも私は不孝者であったと詰るが如く、何時も目の前にちらつく。

*作曲者の鄭月菊女史は、鄭如娟女史(妻)のペンネームです。 (会員)

 ああ、母ちゃん!    杜武志(作詞、翻訳)一、      母ちゃん、あなたはみ恵み深き神の化身であった愛もて私を孕み、育てて下さった その慈しみ深い愛はすべての杜の子らに及んだ二、      母ちゃん、あなたは偉大なる指導者であった茨の途を歩まれ、恭倹、知恵、剛健等手本を示して下さった これらの事どもは人生にて心すべき糧となった三、      今や私達が愛する母は世を去られたでも母ちゃんは私達の心の中に生きている私達は誓った 必ずや悲しみをふみ越えて愛する母の教えに従って歩まんことをPS:原文(中国語文)では詩経からの引用があり、結果に於いて長ったらしいものになりました。ご勘弁あって然るべくお願い申し上げます。 
評論: 0 | 引用: 0 | 閱讀: 1775