過ぎ行く二○一三年と新年に思うこと/蔡仁理 理事長-(141)

町中の店先がクリスマスの装飾に華やぎ、クリスマスソングがあちこちから聞こえ、普段よりも大勢の買い物客で賑わう大阪心斎橋の商店街を歩きながら、まだ十二月初旬にもかかわらず、二○一三年が間もなく過ぎ去って行く事をひしひしと感じさせられました。

 先日、教会の青年に誘われ、大阪万博記念公園の日本庭園を訪れ、実に美しい紅葉を観賞しました。ここは一九七○年に「太陽の塔(高さ七○メートル)」をシンボルに万国博覧会が開催された場所です。あの時に訪れて以来、すでに四十三年が過ぎました。太陽の塔の前に立って、自分が浦島太郎になったような気持ちになり、少し淋しい思いがしました。一九七○年と言えば、ここから近い千里丘でキリスト教会アシュラム霊修会・スタンレージョーンズ先生を迎えての聖会に参加していました。自分自身で信仰を自省する良い訓練会でした。時の過ぎる事の何と速い事、そして「我老いたり」としみじみ考えさせられて唖然としました。

 公園のステージで五~六人の楽士が「秋の調べ」をテーマに、秋の歌や懐かしい故郷の歌などを奏でているのに暫し足を止めて聞いていると、ふと玉蘭荘だよりに挨拶の言葉を書く事を約束したのを思い出しました。忙しさに紛れ、物忘れの常習の年かと自分でも笑ってしまいました。

 年末が迫り、今年を回顧するテレビ番組がたくさん放送されている中、ちょうど二○一三年度日本新語・流行語大賞の発表があり、今年の新語・流行語のトップ十が選ばれました。

今の日本新語や流行語に自分が付いて行けないのを辟易しているところへ、今年の流行語の入賞には「じぇじぇじぇ」、「パズドラ」。これは全く訳わからない。「倍返し」、これならわかる。台湾でも人気のテレビドラマ「半沢直樹」の「やられたらやり返す、倍返し(中国語では以牙返牙加倍奉還)」という決めゼリフ。そして「おもてなし」。これは日本が二〇二〇東京オリンピック招致成功を促したモットーとして国内外に報道された。その他のものは殆どわからない流行語で、日本に来てますます言葉の難しさを思い知らされ、流行語に時勢を感じました。たとえば過去台湾で「惨」や「騙」などがマスコミで頻繁に使われていたように...。
 この原稿を書きながら、私は尊敬するマザーテレサの言葉を思い出しました。

「やさしい言葉は、たとえ簡単な言葉でも、ずっとずっと心にこだまする。」
 年末に皆さんと共にこの一年を振り返り、玉蘭荘への神の豊かなお恵み、数多くの国内外からのご支援、社会から寄せられる関心、そして、理監事、総幹事、幹事、ボランティアの方々に心から感謝申し上げたいと思います。

 「ありがとう」は簡単な言葉です。「Thank you」、「多謝」、「謝謝」、これらの言葉は簡単で、全世界どこでも通用する言葉だと思います。

 来る年も、常に「ありがとう」という感謝の気持ちを持ち続け、共に神に祈り、励まし合って歩んで参りましょう。

 去年はカナダ、今年は大阪からと、続けて皆様への年末年始の便りが台湾国外からとなりました。申し訳なく思います。心からのお詫びをしつつ...。

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