劉菊野女史を偲んで-敬愛する故劉菊野女史を偲んで/蔡仁理 理事長-(142)

私達の玉蘭荘創立と共に二十五年間の長い月日の交わりをなされて来られ、九十四歳のご高齢になられた劉菊野女史が、三月八日に神様の身元に召されましたことは、玉蘭荘の会員及び理監事、職員、ボランティア一同はじめ、生前親しくなさっておられた多くの皆様が、非常に心惜しまれることでございました。菊野女史は過去二十五年来、玉蘭荘の数々のボランティアとしてのご奉仕(訪問や電話によるケア)をはじめ、理監事、運営委員を歴任されご活躍なさいました。多くのご貢献の事績が神の御恵みと感謝として私たちに思い出され、覚えられております。

菊野女史は十五年前、一九九八年十二月二十八日に玉蘭荘の初穂として玉蘭荘会所にて受洗されキリスト信仰に入られました。

私と玉蘭荘の係わりは浅いのですが、毎回の朝の礼拝には、菊野女史がすこし後ろの座席より首を伸ばしてじっと目を細めて私を見つめて、熱心に説教を聴いておられた真剣な姿が印象深く、心に残っています。私は菊野女史の姿からミレーの名画「落穂拾い」を連想させられました。素朴な農家の老婦人が夕暮れに熱心に麦の落ち穂を拾っている絵です。菊野女史は晩年に於いて、キリストの生命の御言葉を認めて信仰に入り、聖書の言葉を熱心に、真面目に「落ち穂を拾う婦人の如く」心の中に拾って来ました。その故、恵み深き天の父なる神様がこの姉妹に意義ある生涯を送らせ、多くの人に良き感化を残し、その走るべき道のりを走り終えて、キリストの身元に召され、主の御救いによって、ついに帰るべき故郷-神の幕屋へ帰りました。地上にあってこの姉妹と共に世の旅路を辿って来られたご遺族の皆様の悲しみや寂しさを、私達も一緒に分かち合い、主の慰めと御助けとが豊かにご遺族の皆様に与えられますよう切に祈ります。私達の姉妹はすでに神の永遠の御国に召され 御言葉の如く、新約聖書ヨハネの黙示録二十一章四節に「神が人と共に住み、人は神の民となる。神は自ら人と共にいて、その神となり、彼らの目の涙をことごとくぬぐい取ってくださる。もはや死はなく、もはや悲しみも嘆きも労苦もない。最初のものは過ぎ去ったからである。」とあります。私達も共に信仰の道を辿ってまいりたいと思います。

願わくば、神様の平安と聖霊の御慰めが、ご遺族の皆様の上にあります様に!

(大阪にて)
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