ボランティアさんのリレーコラム-台湾LIFE/佐藤いずみ-(145)

朝起きて窓を開けると聞こえてくるバイクの音。早朝から営業していて列ができている朝ごはん屋さん、威勢の良い掛け声で新鮮な果物、野菜などを販売している市場。このような光景が普通になって、気付けば私が台湾に来てから四年目に突入していました。
  
玉蘭荘でボランティアを始めてからは、二年目になりました。日常ボランティアとして午後から伺っているので、なかなか会員さんお一人お一人とお話しする機会はないのですが、休憩タイムなどに少しおしゃべりできる時間で、私の顔を覚えていただけたら嬉しいなと思っています。

 私が台湾に来ることになったきっかけは、台湾人の夫の一言「台湾に戻って父親の会社の手伝いがしたい」でした。その時は春が来る頃、それからはあっと言う間に話が進み、夏が来る頃には台湾に引っ越して来ていました。私の心境としては最初は不安しかなく、もちろん賛成する度胸はありません。ですが夫の真面目さと熱意に完敗して、台湾への引っ越しを決断しました。
こちらに来てからの生活は、以前旅行で訪れた事はあるものの、右も左も分からない状況で大変困りました。その時の現地の方々の親切心や、台湾で出会えた日本人のお友達との交流がどんなに励ましとなったか、言葉では言い表せないほどです。私が玉蘭荘でボランティアを始めたのも、そのお友達の中の一人に誘っていただいたことからです。

 台湾では地下鉄に乗って移動することが多いのですが、時間帯により座席は全て埋まっていて、満員と言っても良いくらいの混み具合の時がたびたびあります。そこで目撃したのが我先にとお年寄り、子供達に座席を譲ろうとする人々です。そのあっという間の出来事にびっくりしたとともに感動しました。そしてある日マンションの部屋に戻るためエレベーターに乗ると、同じ階の住民と乗り合わせました。すると「ご飯食べたの?」から始まり、別れる時にはご自分が買ってきた果物を買い物袋から出して渡してくれる。

そのような日常の出来事の中で人の温かみを感じる事が多く、大切なのは気持ちなのだと改めて感じました。

 今は週一度玉蘭荘を訪れることが自分の生活の中で楽しみの一つになっていて、毎回会員さんの元気なお姿とボランティアさんの笑顔にワクワクしながら通っています。玉蘭荘を紹介してくれたお友達、玉蘭荘で出会えた方々に感謝しています。
評論: 0 | 引用: 0 | 閱讀: 1404