犬養光博牧師からのお便り-(148)

 さる六月五日に玉蘭荘をご訪問、礼拝をして下さった日本の犬養光博牧師からお便りが届きましたのでご紹介します。

     
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玉蘭荘の皆さま
主の御名を心から称え、讃美します。
六月五日の礼拝に訪ねさせて頂き、短い時間でしたが、皆さまと礼拝を守り、お話を伺えましたことを感謝しています。「日本語」でなに不自由なく交われましたことが、今も不思議な感じがしています。会員さまお一人お一人に、「日本語」に関してさまざまな思いがあることを知れば知るほど、玉蘭荘の存在の大きさを思わずにはおれません。

いただいて来た「玉蘭のかほり」を読ませていただきました。二十五年の歴史の中で、何回も場所を移しながら、その時その時に、必要な人や援助を与えられて来られた事を知り、神様の祝福を思わずにはおられません。また、許石枝様の「神の愛といばらの人生」を読ませていただいて驚きました。実は、許石枝様はかつて、我が家にも来ていただいたことがありました。北九州で講演をしていただいたのです。とてもお元気で、明快に台湾の状況を説明され、日本の、そして教会の役割を語ってくださったことを覚えています。その許石枝様がこのような一生を送られたと知って、とても感動しました。たぶんこれは、許石枝様お一人だけではなく、同時代の多くの方々が経験されたことだろうと想像します。張明德兄が、丁寧に聞き出し、活字にし、編集してくださったその愛の労にも感謝で一杯です。本当にありがとうございました。

 玉蘭荘は日本語世代の人が少なくなり、これからのことが心配だ、とおっしゃっておられましたが、僕などが云々できることではありませんが、短い今回の訪問で、とても大きな希望を与えられました。それは皆さまが「台湾はとても落ち着いてきた」とおっしゃっていたからです。一昔前のように、大陸から武力で脅されることはもはやないという前提が、すべての人のものになったのではないでしょうか。ここまで来るまでには、長い長い、台湾の忍耐と涙があったことを思います。

 今日本は、日本の国と沖縄の関係が厳しく問われています。どこに解決があるのかわからないままですが、少なくとも台湾の歩みから、大きな希望を与えられて帰って来ました。

 僕たち一人一人を愛したもう主なる神様は、また全世界を支配しておられる方です。その神様を信じて、これからも歩ませて頂きたいです。

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犬養光博牧師‥ 日本基督教団無任所教師。長崎県松浦市在住。玉蘭荘には高橋三郎先生といっしょに訪問されたことがあります。日本基督教団の台湾委員会の一員でもいらっしゃいました。今回は大川四郎先生のご紹介でご来荘くださいました。

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