心の故里    高俊明牧師 --113号

玉蘭荘に寄せて頂いてから十数年。神様が小さな玉蘭荘を今日のように、大きく育てて下さいました事、ほんとに感謝です。


最初、玉蘭荘は掘田久子宣教師の美しい心に蒔かれた、小さな種でした。堀田先生は、信仰と希望と愛とを持って、毎日、この小さな種に、清らかな水を注がれたのです。そして神様がその種を芽生えさせ、成長させて下さったのです。素晴らしい神様の御恵みを賛美致しましょう。


神様は、堀田先生の外にも、許石枝理事長、張明徳総幹事、大川四郎先生、大川紀代子総幹事、今井文子総幹事、王雪蘭総幹事、と歴代の理事長、連碧玉監事、幹事、理事等の方々をお立て下さいました。こうして、玉蘭荘は多くのお年寄りの方に御奉仕することが出来る、憩いの場になったのです。


特にボランティアの方々が、馬場十寸穂さんと一緒に深い思いやりをもって献身的にお婆ちゃま達や、お爺ちゃま達に仕えて下さっているお姿は、目頭が熱くなるような感動的なシーンです。


また、日本キリスト教海外医療協力会、台北東海ロータリークラブ、内田大使夫人、矢野蓉子教授、日本と台湾のクリスチャンたち等々。多くの方々が、色々な形で玉蘭荘を温かく支えて下さっております事、感謝です。


私は一ヵ月に一回か、二ヵ月に一回の程度でしか、皆様にお会いする事ができません。しかし皆様と共に賛美歌を歌ったり、聖書を読んだり、私がメッセージを取り次いだりする事が大きな喜びです。もっと多くの時間をさいて、皆様と共に交わる事ができたらどんなにかよいことでしょう。その意味で、玉蘭荘は私の心の故里であるとも言えるのです。皆様の笑顔、歌声、心温たまる親切なお言葉、やさしい物腰、熱心に講師のお話に聞き入る真面目なお顔等、すべてが美しい思い出となって、私の心のアルバムに納められているのです。


この様な玉蘭荘の花の香ばしい香りが、もっと多くの人たちに愛と慰めを与えることが出来る様にと、私は祈っております。


神戸の中心地、三宮から車で二十五分程登った山の上に「しあわせの村」があります。美しい日本庭園、宿泊間、シルバー大学、リハビリテーション病院、温泉プール、キャンプ場、体育館、食堂、コーヒーショップ、子供の遊び場、池、青少年の野外活動センター等があるのです。家内と私は何回かその「しあわせの村」のホテルに泊まって、素晴らしい環境を心ゆくまでエンジョイさせて頂きました。台湾にもあの様な「しあわせの村」が出来たら、どんなにかよいことでしょう。可愛い子供たちがヨチヨチ歩き回っていたり、青少年が元気でサッカーや野球をやっていたり、お年をめした方々がお茶をのみながら、よもやま話に花を咲かせていたり、お部屋のベッドから、窓外にひろがる美しい景色を眺めたり、友人や家族と一緒にコーヒーを飲んだり、音楽や読書を楽しんだり、温泉につかりながら、体と心の疲れを癒したり、元気な時は、シルバー大学で皆さんと一緒に書道、生け花、フォークダンス、人生哲学、英語、医学常識などを学んだりする事が出来るのです。現代的なエデンの園といった感じの美しい村ですね。


しかし、どんなに美しくて楽しい所に住んでいても、私達の人生には、必ず終わりと言うものがあるのです。終わりのない宴と言うものはどこにもありません。この世を去った後、私たちはどこに行くのでしょうか?行く先はハッキリしておりますでしょうか?


願わくは、私達が一人残らず、イエス様を信じて、死も、悩みも、苦しみも、罪も無い、永遠の世界、私たちの魂のまことの故里である天国に行くことが出来ますよう、祈りつつ、愛し合いつつ、前進を致しましょう。

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