ボランティアさんのリレーコラム-玉蘭荘の魅力/張惠愛

私は東門長老教会の礼拝に参加しているご縁で「玉蘭荘」という素晴らしい場所があることを知りました。玉蘭荘の事を知っていくと、ますます興味を感じるようになりましたが、そこには三つの大きな魅力がありました。ひとつは、これが最大の魅力ですが、日本語を使う環境だということです。日本語を勉強中の私にとっては、学習の成果を生かし、また生きた日本語を学ぶまたとない環境です。ふたつめは、多くの優秀な牧師のお話や講義があることです。魂が満たされることによって、人は生命の意義を考えることができるのです。そして三つめは、この玉蘭荘が非営利の高齢者の活動センターであることです。ちょっとしたお手伝いをきっかけに高齢者の皆さんと直接ふれあうことで、年長者の生活の知恵を授かることができるのです。

 こうして「学ぶこと」と「活かすこと」を目標に、東門教会の連碧玉長老に紹介していただいて、私は玉蘭荘の門をくぐることになりました。皆さんもご存じのように、玉蘭荘は活気と優しさに満ち溢れたところで、当時の総幹事だった今井文子さんがすぐに週に一度の日常ボランティアと二か月に一度のデッサン教室の講師を担当させてくださり、私のボランティア活動が始まりました。
 絵画は私の特技で、小さなときから絵を習い、学校も美術系を卒業しましたので、これを活かして人と関わることができるのはとても嬉しいことでした。ただ指導の経験はありませんでしたので、初めは準備した教材が会員の皆さんに興味を持ってもらえるか、色彩を楽しんでもらえるか、とても心配でした。でもそれは杞憂でした。会員さん達は皆興味をもって色や形を楽しんでおられます。私も教材の準備のために更に学び、また美術創作の楽しみを伝えるための研究をしています。教えることによって学ぶ、ということは、与えると同時にまた沢山のものを得ることができるのだと実感しています。

 活動日には、ボランティアさんたちはみな元気で手際よく作業をされています。とくに陳研さんは活動日のスープだけでなく、バザーの時には焼きビーフンや大根のスープなどを作られ、一人で色々な料理をされるその精神と仕事量には本当に感服します。王英英さんはいつも黙々と作業をなさる方で、バザーで毎年大活躍の蘭々工房のリーダーとして長年活躍されていました。ボランティアさん達はこのように、玉蘭荘という小さな空間の中でそれぞれが与えながら得るという活動をしているのです。 

玉蘭荘には会員、ボランティア、講師などの仲間がいますが、一人で何役もこなす方もおられます。年齢の区別もありません。皆ができることをし、活動を楽しみ、学び、そして命の価値と尊厳を高め合っているのだと思います。

(翻訳 重金優子)
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