帰国に寄せて/山田英二

玉蘭荘での出会いと経験は、神様から私に与えられた素晴らしい贈り物でした。このように年を積み重ねていきたい!そう思わされる方々がたくさんいらっしゃいました。「お年寄りが一人存在するということは図書館が一つあるようなものだ」という言葉がありますが、玉蘭荘の皆様は知恵と慈愛に満ちていました。

 私は四十代をこの台湾で迎えました。四十にもなって可愛がられるというのも何ですが、私は皆様から可愛がっていただきました。多くの方から「山田さん、ちょっと、、、」と手招きされ、部屋の片隅に呼ばれました。そして、決まって小さなお菓子を手渡されました。幼少のころ、祖母がしてくれたことを、時を経て台湾の地で、さらには日本語で。何気ないワンシーンですが、一生心に残り続けるような気がします。

何年か過ぎて、台湾に来たときには、必ず玉蘭荘にも来ますね。皆様に再会できたら、涙が溢れると思います。
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