「台湾に本物の日本舞踊を広めたい」 /渋谷宴盛

私は、生まれも育ちも台湾です。子どもの頃から日本の歌や踊りが大好きでした。高校を卒業すると、すぐに日本へ留学しました。そこでますます日本文化が好きになり、いつか日本舞踊を踊ってみたいと思うようになりました。でもその機会もなく、日本在住時代は日本語を学ぶと共に、ファッションデザインを勉強し、デザイナーとなって仕事をしていました。

ところが台湾に帰国してから偶然にも、台湾人の日本舞踊の師匠に出会えたのです。思いもよらない形で、念願だった日舞取得の夢が実現しました。平成十四年のことでした。

その後日本人と結婚し、日本の着物の着付けのライセンスも取得しました。日々稽古を重ねるうちに、台湾流の新舞踊だけでは飽き足らないものを感じ、本物の日本舞踊を学ぼうと、藤間流に入門し、本腰を入れて舞踊の基礎からの修業に取り組みました。三年前の平成二十六年には、独自流派の「宴盛流」を創流し、今年三月には、大阪の堺市に稽古場を開設し、本格的な舞踊活動を始めました。

台湾の新舞踊は、カラオケの発達がその出発点で、カラオケ歌謡に自然と振りが付き、発展してきました。日本舞踊に対する基本的な基礎が足りない部分がありましたので、宴盛流では、まず正座や挨拶の仕方など、礼儀作法からしっかり教えています。着物も自分で着られるように着付けも指導しています。また振り付けでは、日本語の歌詞の意味、言葉の裏に隠されている心をよく理解して、その情景を、古典舞踊の手法を取り入れながら表現することを大切にしています。本当の日本舞踊の美しさが出るようにと、日々心掛けています。

将来は、台湾日本舞踊のレベルをもっともっと高めて、日本の家元さんたちと、台湾の劇場で一緒に舞ってみたいと思っています。また日本舞踊のコンクール大会も台湾で開催してみたいと思っているのです。日台の本格的な舞踊交流の実現を夢見ています。

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渋谷先生、頑張って下さい。
応援しています。(玉蘭荘一同)


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