ボランティアさんのリレーコラム-一期一会/井口 真紀

「一期一会」という言葉が好きです。

北海道の田舎でのんびりと生まれ育った私は、二十代半ばに南米パラグアイの日系移住地で看護師として働く機会に恵まれました。そして、そこで青年海外協力隊員として活動していた夫と出会い現在に至るわけですが、そこから約三十年、子育てや仕事、ボランティア活動などを通じて、たくさんの人たちと出会い、交流し、その経験が自分を成長させてくれたのだと、強く感じています。

夫の仕事の関係で、長男が三歳の時から三年間、エジプト・カイロで生活し、そこで長女の出産も経験しました。二十四年前の事ですので、携帯電話もインターネットもありません。そこでは同じような子育て世代の人たちと育児サークルを作り、「○○スーパーに、味噌が売っていた」とか「○○公園なら、子供を安全に遊ばせられる」など、よく集まっては生活に必要な情報交換をしていました。今でもその当時の友人とは連絡を取り合っています。

子ども達が小さかった頃は、聴覚障害者のための朗読ボランティアや小学校などでの絵本の読み聞かせ、社会福祉協議会の広報誌作り、地域の防災委員など、主にボランティア活動をしていました。活動を通じ、同じ地域に住む様々な年代の方達と知り合う事ができました。そしてその時できたネットワークが、後の仕事で、とても役に立ちました。

子ども達の手が離れてから、本格的に仕事に復帰し、主に介護保険制度のケアマネジャーとして働いてきました。いろいろな境遇の高齢者や介護者と出会い、向き合ってきました。認知症、高齢者虐待、ゴミ屋敷、老々介護、認認介護。テレビの中の話ではありませんでした。関係機関と協力し支援していましたが、老いについて、また、家族やご近所付き合いのあり方について考える事の多い日々でした。

今、台湾で生活し一年半が過ぎました。ご縁があって、玉蘭荘でボランティアをさせていただいていますが、会員の皆さんから台湾の歴史や皆さんの生活史、生き方を生の声で聞かせていただく事が、何よりも楽しみになっています。台湾をより身近に感じる事ができます。

これからも、ここ台湾での出会いを大切にしていきたいと思います。そして、この先もお付き合いを続けて行くことができるようにと、願っています。
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