ボランティアさんのリレーコラム-一生勉強/齋藤直子

私が小学校を卒業する時、恩師が「一生勉強」と卒業アルバムに寄せ書きをしてくれました。その時の私は「一生勉強!?何と恐ろしい事だ!!」と感じた事を今でも鮮明に覚えています。

私は恥ずかしながら真に「勉強」の意味を考えたのは大学生になってからです。大学では人に教えられ与えられる課題をこなす勉強ではなく、自分で疑問に思った事を掘り下げる勉強をし、その手法がとても新鮮で楽しく感じました。それ以降、自分の興味や疑問を学ぶ事こそが「勉強」なのかな、と感じるようになりました。

夫の転勤に伴い、家族で台湾に来て三年経った頃、生活にも随分慣れた事もあり、私は新しい出会いや学びを求めました。そして日本人会のお仕事をお手伝いしていた時、玉蘭荘の事を知りました。何の取柄もない私ですが、日本語でお手伝いができると知り、思い切ってボランティアに参加をさせて頂きました。

参加してまず驚いた事は、皆さんの学ぶ姿勢です。私の両親と同世代の方々が真剣に授業に耳を傾け、ノートを取り、活動されている姿に目を奪われました。皆さんの学ぶ姿は、目がキラキラ輝いていて、新しい知識への欲求が感じられたからです。その時、恩師の「一生勉強」の言葉が思い出され、「ああ、先生、こういう事なのですね。」と腑に落ちたのでした。

知らない事を学ぶ事は楽しく、人間の幅を広げてくれることは勿論、新たな人間関係を構築してくれます。そうする事で世界が広がると頭では分かってはいても、年を重ねると新しい世界へ飛び込む事はなかなか難しくなると思います。でも、玉蘭荘の皆さんはそれを軽々と笑顔でされている。本当に素晴らしいと思います。

玉蘭荘に足を運ぶといつも私も皆さんの様に笑顔で生き生きと毎日を過ごしたいと感じます。私も学ぶ事を忘れず、新しい世界に飛び込む事を恐れず、自分のペースで「一生勉強」し続けて行きたいと思います。
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