黄澤南さんを偲んで

黄澤南さんは台湾高雄出身で、若いころは漁船用具の商売をしておられた そうですが、引退後の一九九〇年にご家族と共に台北へ移住されました。そ して一九九三年六月、親友の阿玉さんのご紹介で玉蘭荘に入会されました。 当時の玉蘭荘会員の殆どが女性で、夫婦で会員になられたのは張明徳さんご 夫婦と黄澤南さんご夫婦だけでした。澤南さんが書き残された文章によると、 入会の当初玉蘭荘の創立者堀田久子宣教師は既に台湾での任期を終えて日本 に帰国されており、玉蘭荘総幹事の任務を日本キリスト教海外部(JOCS) から台湾へ派遣された大川記代子さんにバットンタッチされていました。大 川記代子総幹事は新しいメンバーの澤南さんご夫婦を熱心に受け入れてくだ さり、さまざまな活動へ導き、お二人とも愉しいひと時を満喫することが出 来ました。又、玉蘭荘のボランティアのリーダー・馬場十寸穂さんはいつも 温かい笑顔で、毎回の昼食時にはスープや果物を用意して下り、手工芸指導 の運営委員長・鄭秀珠牧師夫人も、午後の活動時間に会員たちを指導してく ださいました。このように澤南さんご夫婦は、いつも仲間たちと玉蘭荘の愉 しい集いの時間を過ごされました。

黄澤南さんは一九九一年三月二日、キリスト教台北安息日教会松山教会の 蘇東峨牧師によって洗礼を受けられました。澤南さんの記述によると、6 月 のある日妻の淑麗さんと共に毎朝の運動へ出かけるとき突然胸が裂けるほど 痛み、妻に伴われて馬偕病院の救急診療を受け、心筋梗塞と診断されました。 病状は心臓の筋肉の三分の一が壞死、冠動脈が閉塞状態で、当時の医術では 手術の成功率は五〇%だとのこと。入院中は病院駐在の牧師が毎日病床へ来 て祈ってくださり、又洗礼をしてくださった蘇東峨牧師もわざわざ台中から お見舞いに来てくださり、神様へのお祈りをしてくださいました。そのおか げで奇跡的な回復を遂げ、澤南さんの心は感謝の気持ちに満たされたそうで す。

そして、長年玉蘭荘の理事や監事を担い、毎年の周年記念日にも綺麗な花 束をたまわり、八十歳のお誕生日や結婚六十年のダイヤモンド記念日にも玉 蘭荘の理監事会を招いてお祝いを行いました。神様はまさに黄澤南さんの人 生を彩り、玉蘭荘での有意義な活動を分かち合うことができました。

澤南さんのご冥福と、ご遺族の上に主の慰めがありますよう、お祈り申し上 げます。

神様に感謝いたします。

玉蘭荘理監事一同

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