友好関係が祝福をもたらす/理事長 黃春生
editer: 玉蘭莊 date: 2021-04-21 13:17
私達人間は経験上、知識だけでは心の虚しさを解決できないことを知ってい ます。歓楽や富を求めても、心の飢えを満たす事はできません。我々の人生で 最優先されるべきことは、神である主との友好関係です。それによって初めて、 喜びや幸せ、富が有意義なものになるのです。精神が豊かになれば、物質が祝 福をもたらし、意義を持つのです。
二〇一六年一月に、TED がある素晴らしい講演会を開きました。テーマは「ハ ーバード大学の七十五年にわたる『幸福』の研究:良い人生は良好な人間関係 の上に築かれる」。台湾の有名な月刊誌《天下雑誌》の二〇一六年一月号もこ の研究成果を特別記事で報じました。 ハーバード大学医学部の教授ロバート・ウォールディンガー氏がこの一九三八 年から続く「幸福感」についての研究を受け継いで、二〇一三年まで合計七百 二十四名の大人を対象に、仕事や生活、健康などに関する研究調査を行いまし た。
七十五年前、誰もがこの研究が今日まで続くとは思わなかったでしょう。 この研究の対象は当時の七百数名からその子孫まで、既に約二千人にも及んで いるのです。この七十数年間で調査したそれらの記録は、一体どのような結果 と啓示を私たちに与えたのでしょうか。
ウォールディンガー教授は、「私達を健康に幸福にするのは、良い人間関係 に尽きる」と言いました。またその「人間関係」について、三つの重点を示し ました。
㈠孤独は有害であり、活発な交友は健康に有益である。 家族や、友人、社会と親密な関係を持っている人は、精神的な喜びや幸せを感じ、健康を保つことができます。長寿の傾向があるとの研究結果もあります。 逆に孤独感は心身に有害で、肉体の健康が損なわれる傾向だけに止まらず、脳機能の低下や、寿命も短くなる恐れがあるのです。
㈡友達は数ではなく、関係の深さにある。 私たちは婚姻生活や集会、社会の中にいても、寂しさを感じる事があるでしょう。重要なのは関係の「質」です。衝突のある関係は私達の健康に害を及ぼ し、逆に良好な関係は健康の促進に繋がるのです。
ある研究では、五十歳以降の人生で健康状態に影響を与えるのは、コレステ ロールの値より人間関係に満足感を感じるか否かだとの結論に辿り着きまし た。つまり、自分の人間関係に満足している人は、八十歳になった時点で、普 通の人より健康でいられるという事になるのです。良好な人間関係は、老化に よる心身への影響を減少させることができるのです。
㈢良好な人間関係は身体のみならず、脳をも守ってくれる。 研究の結果、年を取ってからも信頼関係を築くことができるかどうかが、脳の健康に多大な影響を与える事がわかりました。八十歳を過ぎたお爺さんでも、 他人に頼りにされていると記憶力をより保つことができ、逆に誰にも頼られる ことがなければ、記憶力の減退が早くなる恐れがあるのです。
この七十五年にわたる研究の結果は、「人間関係」の重要性を示しています。 家族や友達と親密な関係を持つ人こそ、健康で幸せに暮らせるのです。オース トリアの心理学者アルフレッド・アドラーは、「全ての悩みは、対人関係の課 題である。仙人のような世捨て人でさえ、実は他人の目を気にしているのだ」 と言っています。実はそのような教えは既に二千年前、イエスが門徒に教えら れています。「あなたの神である主を、そして隣人を自分のように愛しなさい」。 神である主と隣人との友好関係を築き上げる事によって、祝福されるのです。 玉蘭荘創立当初より、そこには既に「友好関係」という精神的な要素が注がれ ており、神である主との関係、人間関係の向上に大きく役立っているのです。
私は、玉蘭荘という場所が今後も日台交流の場、高齢者の憩いの場を継続的 に提供できる事を期待しています。そしてこの玉蘭荘を、皆様が「友好関係に よってもたらされる祝福」が体験できる場所にしたいと思っています。(翻訳 龔昭勲)