私の人生の転機/邱靜萍

五年前までの私は、保険会社でプログラマーとして働いていました。二十年近くの間毎日朝から晩まで忙しく働き、残業や休日出勤をすることも少なくありませんでした。ある日同僚に誘われて会社の近くのスポーツジムのクラスに参加しました。そこで仕事ばっかりに没頭していないで、自分の体や健康にも気を付けないといけないと思い、私はこのスポーツジムに入会し、会社帰りに運動することにしました。

 やがてそのジムで廖淑珍先生(玉蘭荘の合唱の先生)ご一家と知り合いました。廖先生とおしゃべりしているうちに玉蘭荘の名前を聞いたことがありましたが、その頃はまだあまりよく知りませんでした。

それからしばらくたった頃、私の頬の皮膚が急に荒れ始めました。病院や漢方医などに通いましたが、原因もわからず、治療しても一向に良くなりません。仕事のストレスか体質の問題かもしれないと思い、いろいろ考えた結果、私は仕事を辞める決心をしました。心身ともにしばらく休もうと思ったのです。仕事を辞めて自分の時間が増えた私は、運動やヨガを楽しみながら数カ月を過ごしました。でもきっと家族も友人も、私がずっとこの生活を続けるとは思わなかったでしょう。私自身も次第にこの先のことを考えるようになりました。そこで友人の勧めもあり、何か習い事をしようと思いました。

私は救国団の終身学習センターの講座を調べてみました。様々な講座が開設されていましたが、その中に見たことも聞いたこともない「ゼンタングル」というものがありました。興味を惹かれて説明を読むと、「絵画の基礎は不要、一枚の紙と一本のペンさえあれば楽しく描けます」とありました。道具を揃えるのは面倒だと思っていたので、これはいいなと思い、参加することにしました。これが私とゼンタングルの出会いでした。

レッスンは一回二時間半、毎回のレッスンがとても楽しみでした。ゼンタングルを描いているととても楽しく、リラックスでき、しかも失敗がありません。そして最後にはびっくりするようなきれいな作品が出来上がるのです。

ゼンタングルを習い続けて三年がたった二〇二〇年の六月、アメリカのゼンタングルの団体が台北でアジアのゼンタングル資格認定のイベントを開くという知らせを聞き、私も申し込んで、八月に講師資格を取得することができました。私もゼンタングル講師の仲間入りをしたのです。

資格を取得して初めの頃は、先輩講師のアシスタントをして教え方やまだ知らなかった知識を学びました。それからしばらくした頃、廖先生の誘いで玉蘭荘を見学させてもらえることになったのです。私は自分の作品を持参して、ゼンタングルの指導ができることを伝えました。

こうして二〇二〇年十月二十五日、私は玉蘭荘で初めてゼンタングルの講座を開きました。私のゼンタングル講師としての、初めてのレッスンでした。これは私にとって人生の大きな転機でした。プログラマーだった私がゼンタングルの講師に転身し、生活の中の様々なことが大きく変わりました。

玉蘭荘でゼンタングルの講座を担当して二年が過ぎました。いつも温かく迎えてくれる総幹事、幹事、会員の皆さんに感謝しています。そして何より、この機会をもたらしてくれた廖先生、本当にありがとうございます。これからも皆さんに喜んでもらえるように、ゼンタングルの指導を頑張っていきます。

人生の道は常に前を向いて進んでいくべきものだろうと思いますが、時には立ち止まり、角を曲がってその先に進んでみると、そこにはまた違った人生の風景があなたを待っているかもしれません。
(ゼンタングル講師)
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