すべてのことに感謝を~玉蘭荘ボランティア35年の追懐~/連碧玉 前常務理事

社団法人台北市松年福祉会「玉蘭荘」は、本年をもちまして創立35周年を迎えることとなりました。

1989年、日本聖書祈祷会の堀田久子宣教師と東門教会の鄭連德牧師の尽力により「玉蘭荘」は、創立いたしました。これまで、多くの支援と励ましを得ながら、会員の皆さんやボランティアの仲間たちと互いに手を取り合い、汗を流し、悲喜こもごもの時を過ごしてまいりました。時に笑い、時に涙した日々と主のお導きに心より感謝いたします。

敬愛する堀田先生とともに、ボランティアとして「玉蘭荘」という家族の一員になれたことは、私にとって、とても光栄なことでした。光陰矢の如し、振りかえれば、あっという間の35年でした。当時40代だった私も年を重ね、既に人生の半分ほどの時間を「玉蘭荘」とともに過ごしたことになります。還暦を迎える年齢であった会員の皆さんも、今や米寿や卒寿を祝う年齢を迎えています。

創設者の堀田久子先生、前事務局長の張淑梅氏、大川記代子氏、張明德氏、今井文子氏、前理事長の許石枝氏、前理事の馬場十寸穗氏、前常務理事の鄭秀珠氏、楊約西氏をはじめ、堀田先生から日本語を学んだボランティアたち、骨身を惜しまず、「玉蘭荘」を共に支えてきた仲間の面影を今でも懐かしく思い出します。何もないところから、主の祝福とともに、シニア世代の心の拠り所たる「玉蘭荘」は地域に根付き、運営を続けてきました。創立以来、この35年の歳月を振りかえると、さまざまな思いがこみ上げ胸が熱くなります。

「玉蘭荘」は創立からこれまで四度の移転を繰り返してきました。1996年8月、多くの関係者の努力と支援により、現在の安住の地を得ることが出来ました。私たちの「玉蘭荘」は、いつも心温まり、愛に満ちています。私自身も活動を通じ、会員の皆さんから多くのことを学び、新たな知識や経験を得てきました。このようなかけがえのない時間を分かち合えたことを深く感謝します。ハレルヤ!主を賛美します。

1989年の創立時に「玉蘭荘」の委員となり、これまで、委員長、理事、常務理事等の職務を歴任させていただきました。開設より、活動の後片づけに始まり、昼食用のスープの準備、更には、会計や企画を含めた事務作業に至るまで、運営に関わるさまざまな業務に携わってきました。「玉蘭荘」という大きな家族の愛を感じ、人生のかけがえのない経験を得たことを誇りに思っています。

「受けるよりは与える方が、さいわいである」(使徒20:35)。これは私が大好きな聖書の御言葉です。温かさと愛を感じたことのある人は、他者に共感し、思いやることができます。黙して与えることで、もたらされる喜びや成長は、何ものにも代え難い人生の糧となります。

台湾では、急速に高齢化が進み、シニアのQOL向上のため、各地域ごとに65歳以上を対象にしたシニア向け学習センターやシニア大学が設置され、福祉サービスが提供されるようになりました。その一方で、私たち「玉蘭荘」は会員者数の減少という現実に直面しています。黃春生理事長をはじめとする理事会が、会員の維持増加というこの喫緊の課題に真摯に取り組んでいただいていることに感謝の念が堪えません。

私的な話ですが、夫が加齢による視力低下により日常生活上に補助が必要な場面が多くなりました。それゆえ、今年に入り、やむを得ず理事会の職務を退くこととなりました。しかしながら、私が「玉蘭荘」という家族の一員であることには変わりはなく、また、「玉蘭荘」で会員の皆さんや仲間たちと過ごせると信じております。

今、この場を通じ、「玉蘭荘」の会員の皆さん、ボランティアの仲間たち、講師の先生方、理事会・事務局の役員各位、そして、「玉蘭荘」に支援してくださる企業・団体、個人の全て皆さんに心からの謝意をささげたいと思います。本当にありがとうございます。皆さまに祝福があらんことをお祈り申し上げます。

慈愛に満ちた主が「玉蘭荘」に関わる全ての人を守り、その健康と喜悦を祝福し、より輝かしい未来を創造してくださいますように。主よ、あなたの恵みに感謝します。

テサロニケ人への第一の手紙5:16-18「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい。」

(翻訳 高木友規)
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