玉蘭荘へ水を注ぎ続けよう/黃春生 理事長

本年(2024年)3月13日、第十一回松年福祉会総会を開催し、私ども玉蘭荘の新しい役員を選出いたしました。振りかえれば、三十数年前、創立者堀田久子宣教師は、「日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)」の派遣により、台湾の地に降り立ちました。堀田先生は、この地で、かつて日本から嫁いだ女性たちの境遇に胸を痛めます。彼女たちは、言葉の壁によって、地域社会と十分なつながりを持つことができず、子弟の独立後、孤独な生活を送っていたのです。それから一年余りの時を経て、1989年9月、堀田先生は鄭連德牧師とともに、安和教会の地下室に活動の場を得て、戦前日本の教育を受けたシニア向けの日本語による活動を開始しました。以来、玉蘭荘は、シニア世代が心と体の健康の維持し、悦びと安らぎ、充実した生活を送れるよう、さまざまな活動を提供してきました。

創立者である堀田先生、初代理事長の許石枝長老、前事務局長大川記代子さんや張明德さんをはじめとする台湾と日本の多くの有志の努力により、玉蘭荘は、キリスト教の信仰と日台の友情の場所でありつづけました。一方で、私たちは、今、参加者の減少という現実問題に直面しています。主の導きに頼り、時代の変化にあわせ、玉蘭荘も変わっていくことを考える時が来ているようです。一方で、私たちには、変わらず守り続けていかなければならない使命があります。それは、主に対する信仰であり、日台の友情を大事にシニアの皆さんに奉仕することです。

昨年(2023年)クリスマスを目前に控えた12月4日、堀田先生が来台されました。12月7日、私たちはささやかな歓迎会を開催しましたが、堀田先生は、とても嬉しそうに、でも少し寂しそうに、「私が台湾に来るのはこれが最後になるかもしれません。玉蘭荘の創立準備のために、濟南教會の許石枝長老や張明德兄弟が大きな力を貸してくださいました。ぜひ、濟南教會に今後の玉蘭荘の発展をおまかせたいのです。」とおっしゃいました。翌12月8日には、堀田先生は玉蘭荘にて、主の恵みを数え、賛美されました。そして濟南教會に玉蘭荘を託されたのです。

濟南教會と玉蘭荘は浅からぬ縁で結ばれています。濟南教會の許石枝長老は、高李麗珍牧師婦人の理事長職の前後計四期の理事長職を務めています。その後、翁修恭牧師の推薦をいただいた蔡仁理牧師と都丸正夫牧師へとバトンは引き継がれました。そして、私も、濟南教會の主任牧師への就任とともに、玉蘭荘の理事長職を引き継ぎました。微力ではありますが、主に頼り心を尽くし、皆さんの力を借りながら、玉蘭荘のために謙虚に努力していきたいと考えています。堀田先生から託された玉蘭荘の未来のため、ぜひ皆さんにも共に祈っていただきたいと思っています。
コリント人への第一の手紙第3章5‐7節には、このように書かれています。

「アポロは、いったい、何者か。また、パウロは何者か。あなたがたを信仰に導いた人にすぎない。しかも、それぞれ、主から与えられた分に応じて仕えているのである。わたしは植え、アポロは水をそそいだ。しかし成長させて下さるのは、神である。⁷だから植える者も水をそそぐ者も、ともに取るに足りない。大事なのは、成長させて下さる神のみである。」(第一コリント3:5‐7)
私たちは主のしもべであり、人々を主のもとに導くのです。この三十数年間、玉蘭荘では多くの仲間たちが、種を撒き、水を注いできました。これが私たちの使命なのです。主が、聖霊と共にある私たちの家をこれからも成長させてくださることを切に望みます。皆さんも、ぜひ、玉蘭荘のために祈り、水を注ぎつづけてくださるようお願い申し上げます。

(翻訳 高木友規)
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